真ん丸や一文字の目、「ヘ」の字の口―。まるで現代の漫画家が描いたような、江戸時代の絵師の作品に注目が集まっている。「江戸時代とは思えない」「ほっこりする」。そんな驚きや賞賛の声がツイッターをにぎわせている。 絵師は18世紀後半の大阪で活躍した耳鳥斎(にちょうさい)。酒造業を営む家に生まれ、古道具商として生計を立てていたとされる。肉筆画のほか、多くの木版本を手がけたという。 誰でも見られる国立国会図書館デジタルコレクションでは、1780(安永9)年発行の「水や空」が公開されている。当時の歌舞伎役者を描いた本だが、ツイッター上で耳鳥斎のタッチが紹介されるや、「超ゆるゆる」、描かれた役者たちは「脱力おじさん」などと話題になった。 この耳鳥斎の作品が現在、京都市で展示されている。龍谷ミュージアム(下京区)で開催中の「特別展日本の素朴絵」では、「水や空」の実物をはじめ、「大黒と福(ふく)禄(ろく)寿
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