「パワースポット」を求めて各地に出かける人々は相変わらず多いようだ。人気のある神社に行くと人の多さに圧倒されてしまう。 日本は「万物に神宿る」として「山」や「木」そして人の手によって作り上げられた「物」に対しても敬意と感謝を以て接するといった国であるが、どうもこうした本質的なメンタリティーを見失いつつあるというのが、当世日本人事情ではないだろうか。 物作りの現場を訪れると、どこか神々しさを感じることがある。職人さんの真剣な眼差しだけではない、長年の思いや完成に対する祈りを吸収した工作機械にさえ神が存在するようだ。 かつて日本が日米繊維交渉の末、国内の工場を次々に閉鎖しなければならなくなった時、女工さんが一升瓶を持ってきて織機にじゃぶじゃぶとかけ始めたのだという話を聞いたことがある。これはまさに神聖なものに対しての振る舞いと言えるだろう。 また、多くの企業が「作業にあたる際には家庭の悩みを持
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