高脂肪の食事を取った場合に、脂肪を蓄積したり、肥満リスクを高めたりする遺伝子の働きを、京都大大学院薬学研究科の辻本豪三教授(ゲノム創薬)の研究グループなどが突き止め、20日付の英科学誌「ネイチャー」電子版に発表した。肥満の治療薬への応用が期待されるという。 辻本教授らは、体内に入ってきた脂肪をセンサーのように感知する受容体「GPR120」に着目。遺伝子異常でGPR120を持たないマウスを、低脂肪食と高脂肪食を与えるグループに分けて飼育し、体重や脂肪量の変化を正常なマウスと比較した。 高脂肪食グループのGPR120がないマウスは、正常のマウスよりも体重や脂肪量が10~15%程度増え、内臓の脂肪細胞も肥大化。GPR120の機能低下が、肥満や脂肪蓄積に大きく関わっていると結論づけた。低脂肪食グループは、GPR120の有無による差は、ほぼなかったという。 また、欧州の約1万5千人の遺伝子を調査した