熊本県を訪問していた天皇、皇后両陛下が帰京の途に就かれた熊本空港一階ロビー。車いすに座り、皇后さまの到着を心待ちにしている高齢の女性がいた。 水俣病患者の世界を描いた「苦海浄土」の著者、石牟礼(いしむれ)道子さん(86)=写真、熊本市。天皇陛下とともにロビーに入ってきた皇后さまは、立ち上がった石牟礼さんに気づくと、歩みを止めて手を振りながらほほえんだ。 全国豊かな海づくり大会出席のため、両陛下は二十六~二十八日、熊本県を訪問。稚魚放流行事が行われる水俣病の発生地、水俣市を初めて訪れた。ヒラメなどの稚魚を水俣湾に放流する直前、その姿は近くの熊本県環境センターの一室にあった。