今年の春闘は、不気味なほど“静か”だった。 主要企業の経営側が3月17日に一斉回答した春闘で、組合側の要求がほぼ通ったのは、「最低限の要求」である定期昇給の確保だけ。ベースアップ(ベア)は見送られ、ボーナスの満額割れも相次いだ。 かつての春闘といえば、従業員がいるから会社がある、会社のために従業員がいるわけじゃない、とばかりに、赤い腕章をつけ、組合幹部が徹夜で交渉に臨んだものだった。私も新卒社会人になったときなど、ストライキや腕章を付けることを組合から指示され、戸惑ったのを覚えている。自分も組合員になっているにもかかわらず、「組合の活動って、参加しちゃって大丈夫なのかな?」などと心配になるほど熱かった。 社会保障制度が充実した今、組合の存在意義自体が薄れてしまった、ということもあるのかもしれないし、非正規社員やパートが増え、“株主様”から「組合の存在は株価にマイナス」などと言われてしまえば
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