過剰な性的描写を含む成人雑誌の販売をめぐり、堺市が今年3月からコンビニと協力して「目隠し」した規制に対し、賛否が渦巻いている。出版業界とのバトルも続いているが、堺市が主張するように「公権力の介入しない自主規制」だとしても、成人雑誌の販売規制にそもそも問題はないのか。(iRONNA) 法と道徳、ないしは法と倫理の分離は、近代の大原則だと教わってきた。不倫や近親相姦(そうかん)などの不道徳を刑法で裁けるわけがないし、法律をもって親を敬えとか、高齢者を大事にしろなどと強制することもあり得ない。 公権力による「表現の自由」の侵害も同様に許されない。あるいは、殺人を夢想しようが、テロを思い描こうが、行為を伴わない限り、何を思っても表現してもかまわないという「内心の自由」も当然に保障される。 ところが、成人向け図書の販売規制は、青少年の健全育成なるものを大義名分に、まるで法と道徳の分離や表現の自由、内