ラオスには、石炭、天然ガス、鉄鉱石、金、スズ、そしてボーキサイトなど豊富な地下資源が眠っています。しかもつい最近まで、各国の政府や企業はその存在を見過ごしてきました。最近になって世界最大規模のボーキサイト鉱床を中心にラオスの地下資源がにわかに注目され、急速に開発が進められており、2006年には最大の輸出品目となりました。ボーキサイトを中心に、ラオスの資源開発の現状と課題、今後の可能性を探ります。 世界最大規模のボーキサイト鉱床発見 つい最近まで、世界の資源開発においてラオスという存在は全く認識されてこなかったと言ってよいでしょう。事実、1997年のアジア通貨危機から1999年までの間、ラオスの資源開発に対する海外からの投資はまったくなかったのです。通貨危機によってタイの化石燃料需要が減ったことでラオスの資源開発が弱体化した上に、政府が投資法を改訂し天然資源に関わる投資は首相の許可を必要とす