そんな3年前の名古屋暮らしを思い出したのは、このエドワード・ホールの『かくれた次元』を読んだから。僕はパリに行ったことがないので上の引用が本当かどうかはわかりませんが、街並みのデザインによって、その街が人中心か、車中心なのかが大きく変わるということは、名古屋経験によってなんとなくわかります。 ホールのこの本は、空間デザインや人間同士の距離感がいかに人間個人に、そして、文化に影響を与えるのかについて、プロクセミックス(proxemics)という仮説を提示して検討したものです。1966年に出版された当時、大変話題になった本なのだそうですが、いま読んでも楽しめました。僕が読んだのが第32刷なので日本でも長く読まれ続けている本だと思います。 プロクセミックスさて、プロクセミックスとは、近接学と訳されることが多いホールの造語です。 本書でホールがプロクセミックスとは何かを定義していないので、説明にも