前編では「群創力」を活用した新たなイノベーションの概念を述べた。群創力は企業の外部にある集合知を活用して生み出される。その方法には、「文殊の知恵型」「ここ掘れワンワン型」「高速実験型」「多数決型」という4つのタイプがあることを説明した。 今回は、集合知を活用した「群創力」の実践例として、玩具メーカーのレゴ(本社デンマーク)と、米国のメガバンクの一角を占めるウェルスファーゴのケースを紹介する。 レゴは売り上げがおよそ1000億円、世界第6位の玩具メーカーであり、4億人以上の顧客基盤を有するグローバル企業である。レゴでは、ウェブ上で顧客がデザインした商品のうち、優れたものをそのまま量産化している。つまり、ユーザーの「文殊の知恵」を活用して、新商品開発に取り組んでいる。顧客にレゴシリーズの商品企画を委ねているわけである。 玩具は世界的に成熟市場と見られており、とりわけ伝統的な玩具であるブロックな