教諭による不適切な指導が原因で児童・生徒が自殺するケースは「指導死」と呼ばれ、近年表面化するケースが相次いでいる。 教育評論家の武田さち子さんらの調査では、指導死とみられる児童・生徒の自殺(未遂含む)は平成元年~今年2月に全国で61件確認された。 具体的には「他の生徒の前での叱責」や「違反行為の発覚と疑い」などが背景にあったという。広島のケースのように、事実誤認に基づいて自殺に追い込まれた「冤罪(えんざい)型」も10件に上った。 武田さんは指導死について、「体罰など身体的な暴力よりも、不適切な言動によって精神的に追い詰めることの方が多い」と指摘する。そのため、教諭側に「加害行為をした」という自覚がないまま、漫然と指導を続けてしまうという。 一方、「『指導死』親の会」の代表世話人、大貫隆志さん(59)は、指導死を「学校内でのパワハラだ」と訴える。 大貫さんによると、広島のような冤罪型のケース