習近平政権が正式に誕生した。その誕生プロセスは国民とはほとんど関係がなく、長老政治家をヘッドとする派閥政治ゲームの結果だった。政権の一人ひとりが適材適所で選ばれたわけではなく、「どうしてこの人が」と首を傾げてしまうような、正当性を説明できない者が多い。かつては毛沢東も鄧小平も自らの力で政権を手に入れたのであり、指導者としての正当性を説明できた。 習近平国家主席や李克強首相らは公式メディアやインターネットで若き時代の写真を多数公開し、親民的指導者のイメージを国民に植え付けようとしている。それは自分たちに正当性とカリスマ性がないことを自覚しているからだ。 確かに、胡錦濤も習近平もカリスマ指導者ではなく普通の人である。問題は、普通の人が国家の指導者としてきちんと政治を行うことができるかどうかにある。 日本のマスコミや中国政治の専門家の多くは、中国政治を分析する際、往々にして共産党指導者個人につい