ある人気バンドのリーダーが、テレビのインタビューで、ひとりだけ年の離れた若いメンバーが在籍していることについて、その加入経緯を語っていた。 冗談めかしたノリがバンドの売りなのだが、このときのリーダーは姿勢をただしキマジメな物腰だった。もとは、年少メンバーはバンドのおっかけだったが、欠員だったパートの穴埋めに起用された。その日が現在のバンドの誕生日となる。 「いい意味でバカなんですよ」 叩いたことがないドラムをやらないかと誘われ、躊躇するのがふつうだろうが、少年は軽い感じですぐに引き受けた。リーダーの言う「バカ」は、少年が後先を考えて踏み出すタイプなら、ここにはいなかったということを意味している。 やりたいからやる。できるかどうか、失敗したらどうするのかは後回し。大人の知恵がないぶん、怖さを知らない。 10年経ったいまでも、彼は怒られ役だ。何度もバンドの危機はあったそうだ。昔を語るリーダー。
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