母の、自分が嫌われないための気の遣い方について、色々と考えたところ、あれは、いじめがあるクラスによくある、どこかのグループに属していないといじめられるという雰囲気になった時の、グループ内での気の遣い方に似ていると思った。 相手のための思いやりではなく、ひたすら衝突を避けて、笑顔の仮面の下で、排除される恐怖に怯えている。表面上仲良くしているようで、その実相手のことが嫌いだという、あの感じだ。 おそらく、母の世界観では、社会はこのいじめが蔓延しているクラスのようなものであり、少しでも相手の機嫌を損ねてしまうと、悪く言われてしまうような、そのような考えで生きているのだろう。つまり、母がしているような、自分が嫌われたくないからする気遣いは、いわば「いじめ防衛的気遣い」なのだ。 もちろん世の中には、そういう雰囲気になっている集団はある。私も経験したからわかる。しかし、世の中の全てがこうというわけでは