原発停止で経営が悪化した日本原子力発電(東京)は、敦賀原発のある福井県敦賀市に対し、2009年度から続けてきた寄付を15年度以降中断すると通告した。市への取材で分かった。市は同社の寄付金で市道建設を進めてきたが、市費で穴埋めすることもかなわず、市道は当初計画の3分の1程度しか完成しないまま宙に浮くことになる。原発マネーを活用してきた街が岐路に立っている。 原発6基が立ち並ぶ敦賀半島の東部。市道の建設工事現場で、うなりを上げるブルドーザーを見ながら、近くに住む漁師の中村一彦さん(78)はつぶやいた。「途中で止まっちまうのか。全部つくってほしいんだが、カネがないというんなら仕方がない」 この市道は西浦1、2号線。敦賀原発がある敦賀半島先端部と市中心部を結ぶ県道のバイパスとして計画され、08年度に建設が始まった。当初計画の総延長は3・8キロ。トンネル部分が761メートルある。 県道は曲がりくねっ