東日本大震災の被災自治体で、復旧の最前線で働く職員の超過勤務手当の減額や支給見合わせが相次いでいる。 打ち切りにしたり、休日に振り替えたりして額を抑える。被災住民への配慮が背景にあるが、職員組合から反発も。総務省は「被災した市町村も勤務実態にのっとった支給を」とし、識者は「未曽有の震災で手当のあり方の検討が必要」と指摘している。 岩手県釜石市は職員340人の3月の超勤手当が1億4000万円に上る。昨年同月の25倍で、野田武則市長は「被災者に配慮すると全額支給は難しい」と判断。1日の上限が4200円の「宿日直手当」に置き換えて支給した。額は10分の1になり、職員組合は「家族も捜さずに働いた職員もいるのに、一方的でおかしい」と反発。労使が交渉を続ける事態となっている。 同県大船渡市は手当が1億円を超え、職員組合と協議し、額に応じて休日を与えることにした。「過酷な勤務で休暇が必要」と職員側も了承