テネブレッセント スカポライトについて 間中 裕二 はじめに 紫外線照射によって色が変わる石としては、ソーダライトの変種であるハックマナイト(ジェミー135号参照)が有名ですが、今回鑑別で遭遇したスカポライトは紫外線により無色から青色に変化することが観察されました(写真1・2)。この現象は最近テネブレッセンス(tenebrescense)と呼ばれています。 テネブレッセンス “テネブレッセンス”はあまり馴染みのない言葉ですが、語源はラテン語の「暗闇」からきています。この用語は紫外線照射等により色変化を示しまた色が元に戻る物質に対して、かなり限定的に用いられています。より一般的な科学用語として対応するのはフォトクロミズム(photochromism)です。 [テネブレッセンスのイメージ] テネブレッセンスは、ラテン語の“tenebrae”から派生した言葉です。イタリア語でもテネブローソ(te