企業直撃 新・地政学リスク 海の向こうの大げんかでは済まされない。深刻化する米中対立は、日本企業の大きなリスクになっている。ファーウェイとの取引からエネルギー、頭脳流出まで、米中を軸にした新・地政学リスクをビジネス視点で全解剖。 バックナンバー一覧 日本は、世界一の液化天然ガス(LNG)の取扱量を誇り、LNG市場で圧倒的な存在感を示していた。しかし中国が台頭し、さらには米中対立の波が押し寄せている。特集『企業直撃 新・地政学リスク』(全14回)の#9では、三菱商事、三井物産、ジェラ、東京ガスのLNG盟主に迫る陥落危機を追った。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮) LNG取扱量世界一の座を 中国に奪われようとしている日本 さかのぼること半世紀以上の1969年11月4日、もやがかかる海上から、その船は姿を現した。まるで、新しいエネルギーの時代の幕開けを告げるように。 全長240メートルの液化天然ガ