(英エコノミスト誌 2009年5月23日号) 中国は世界経済の舵取り役としての新たな名声を謳歌しているが、国内ではまだ多くの問題を抱えている。 他人の失敗を自分の利得とし、さらには他人の災いを喜ぶという感覚――幸災楽禍――は、あらゆる国と同様、中国の心理にも深く根づいている。 かつて米国の政策立案者がリスク管理の改善や柔軟な為替レートの必要性について中国を散々いじめたことでこの感覚に磨きがかかり、米国が金融危機に見舞われて以降、こうした感情が目立つようになってきた。 中国の指導者層は、自分たちが洗練されてきたことを示そうと苦労しているため、米国の金融機関の遺体を前に踊るような騒ぎは不興を買う。だが、多くの中国人は、自分たちの国は「良い危機」を経験していると考えている。 こうした認識はまず、4月初めにロンドンでG20サミットが開かれた時に、大勢の中国人視聴者に伝わった。記念撮影の場で