立場が異なれば、見解の相違が出るのが世のさが。取材活動では、そんな現象にしばしば直面する。いま、つくばエクスプレス八潮駅前のパチンコ店建築を巡り、八潮市内の住民団体が建築中止の反対運動に取り組む。反対の骨子は、「パチンコ店は『市の顔』の駅前にふさわしくなく、生活環境を破壊する」。 パチンコ店建設地は、都市計画法の商業地域で法的に問題はない。しかし、6200人を超える署名簿を提出され、市は市民団体の意向を無視できない。美観を損ねないよう、業者側と店舗の色彩や緑化などを折衝中という。 業者には営業権があり、パチンコ愛好家がいるのも事実だ。反対する女性が「『陸の孤島』と言われていた八潮市に念願の駅ができ、楽しみにしていたのに。パチンコ店ができるなんて」と胸の内を明かしてくれたのが、心に残った。【飯嶋英好】