幼虫は、さなぎを経て成虫になる。 活発に動き回り桑の葉を食い散らかしていた芋虫が、自分を繭で覆いじっと静かに内にこもる。そして繭を破って出てきたときは、立派な成虫となって飛び立っていく。 人間の成長は虫の変態にそっくりだ。 幼虫は小学生。成虫は高校生―これから花々の間を飛び回って青春を謳歌する。 その間をつなぐさなぎの時期―それが中学生だ。 中学校の3年間はホップステップジャンプのように驚くほど変化する。 「児童」から「青年」への橋渡しの「少年時代」―それが中学時代。 成虫になって飛び回るときには、自分が出来上がっていなければならない。 外に打って出る前に自分を固める時期―それが中学時代。 では、どのように自分を固めるか。 虫を見ればいい。さなぎになって内にこもる。 そう、放っておかれなければならない。 なぜ、放っておかれなければならないか。 これまでの「体験を統合し個性を作り上げる時期」