風呂から出て体一杯に水を浴びながら悠二は、この時始めて茂美に対する心を決めた。裸の上半身にタオルをかけ、離れに上ると彼は障子の外から声を掛けた。「茂美さん」部屋の茂美がこちらを向いた気配に、彼は勃起した陰茎を外から障子に突きたてた。障子は乾いた音をたてて破れ、それを見た茂美は読んでいた本を力一杯障子にぶつけたのだ。本は見事、的に当って畳に落ちた。その瞬間、悠二は体中が引き締まるような快感を感じた。彼は今、レスリングで感じるあのギラギラした、抵抗される人間の喜びを味わったのだ。彼はそのまま障子を明けて中に入った。