数年前、ジャヤ・サーズフィールドさんは、日本で購入したいと思える家を見つけたが、友人や家族からは忘れるように言われた。問題が多すぎだと言われたのだ。その家は7年前に放棄され、肩まで伸びた雑草の林の中に立っていた。それは、日本全国に数百万棟ある「空き家」のうちの1つであった。 しかし、オーストラリア人ソフトウェア開発者である46歳のジャヤさんは、そんな言葉には動じなかった。生い茂った庭を通して見ても、この家が特別なものであることがわかった。 黒い屋根瓦は、普通の家よりずっと高い位置から、わずかにカーブした軒先に向かって傾斜している。玄関ホールにも切妻屋根がある。2700平方メートルのこの家が、農家というよりも仏教の寺院のように見えたのは、1989年に寺院の建築家によって建てられたことが理由である。 「広い庭」求めてロンドンから日本へ引っ越し ジャヤさんと日本生まれの妻・チヒロさんは、広い庭の