共働きで昼間は誰もその家にいないから、その家の駐車場がいつしか子供たちのたまり場みたいになった。 夜になって家主たちが帰ってきたときには駐車場には誰もいないが、食べ散らかしたゴミ、食玩だけを抜いて捨てられたチョコレートなどなど、誰かがここにして、何をしているかはよく分かった。 家主たちは毎晩遅く帰ってきて、それから駐車場を掃除した。 しかし次の日には、また同じようにゴミが散らかっているのだった。 「貼り紙をしようと思うの」 「『ゴミを捨てるな!』ってか?」 「それも考えたんだけど、昼間誰もいないし、やっぱりコトバだけだとどれだけ強烈に書いても、すぐに気にならなくなると思うのね」 「ああ。迷惑駐輪に腹を立てた店の人が、どんどんコトバをエスカレートさせて、最後には 『ここに停めたら殺す』とまで書いたけど、3日も持たなかったそうだよ」 「で、〈北風と太陽〉だと思ったのよ」 「……具体的にはどうす