生徒のいない教室で「模擬授業」などをさせられるなどのパワーハラスメントを受けて退職を強要されたとして、埼玉県杉戸町の私立昌平高校の今村寛教諭(49)が十八日、学校法人「昌平学園」(近藤好紀理事長)を相手取り、模擬授業の中止などを求める仮処分を、さいたま地裁越谷支部に申し立てた。 申立書によると、学校側は四月から、国語を担当する今村教諭に通常の授業を行わせず、特別研修として生徒のいない教室で授業をさせたり、職員室で教材研究をさせているという。 昌平高校は二〇〇七年度から大手学習塾「栄光ゼミナール」を運営する「栄光」(さいたま市)が経営に乗り出し、教諭に対する授業力テストなどを開始した。今村教諭はテストなどで一定の水準に達していないと判断され、特別研修を課せられた。同校では〇七、〇八年度に、専任教諭と常勤講師が計五十一人退職しているという。