前段 私(久我真樹)の著書『日本のメイドカルチャー史』で言及できなかったエリアを、専門家の方による考察で視点を増やしていくプロジェクトの一環として、本テキストは知人である牧田翠さんに依頼し、書き下ろしていただきました。 牧田翠さんは「エロマンガ」を代表として様々な漫画表現を統計的に分析する同人誌を刊行し続けており、リアルの場でも発表したり、発表の場を作ったりと活躍されています。メイドブームの底流として1990年代の「エロマンガ」と、2000年代の「ジュブナイルポルノ」は大きなジャンルでしたが、『日本のメイドカルチャー史』では専門では無いために深く触れられなかったため(上巻p.99、下巻pp.449-452)、専門家である牧田翠さんにお越しいただきました。 以下、牧田翠さんによるテキストです。 1.はじめに こんにちは、初めまして。牧田翠と申します。同人誌「エロマンガ統計」シリーズの著者で、