本田由紀『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版、2005) いただきもの。 おすすめ。 (1)新進気鋭の(失礼!)教育社会学者にして、最近はてな界隈ではじけまくっている(失礼!)著者の手になる試論の書。近年の日本では、コミュニケーション能力、創造性、自発性、主体性といった能力を身に付けることが求められるようになりつつある。これら能力を「ポスト近代型能力」と定義し、かつて求められていた「学力」たる「近代型能力」と対比したうえで、この事態が学校、家庭、子ども、大人にもたらしつつある変化を確定し、評価し、対処策を構想する。「『人間力』って言うな!」なる帯の台詞だけで(頂いたぼくが言うのもなんだが)即、買いでしょう。 (2)「近代型能力」から「ポスト近代型能力」への移行(あるいは「メリトクラシー」から「ハイパー・メリトクラシー」への移行)という現状認識は、「ネオリベ批判」とか「ポモ」とか「カ