■暇がないとは言わせない 書店の仕事は棚整理に始まり、棚整理に終わるのだと僕は思う。 書店の棚を見ていてガッカリすることは、本が整理されていないことだ。オビが破れたまま放置されていたり、本が棚から飛び出していたり、番号順に整理されているはずのシリーズものの順番がバラバラだったり、数冊の本が抜けたままで棚の本が傾いていたり、誰の仕業か知らないが、平台の上に棚にあった本が乗っていたり、ネコの本とイヌの本がごちゃまぜになっていたりすると、こんな店にはきっと良い本なんてないに違いないと思ってしまう。だってそうでしょう、スーパーマーケットでこの有様だったら買う気がしますか。香辛料の棚にポテトチップの袋があるような店で。 50坪の書店のアイテム数は、500坪のスーパーマーケットより圧倒的に多いと思う。アイテム数の少ないスーパーの場合、ネギのボックスに大根があれば、ああ乱れているなとすぐにわかるわけだけ