坂元:そして、現在のコロナ禍におけるグローバルサプライチェーンの分断や、近年のアジアを中心とした地政学的なリスクを踏まえると、あのとき国内生産の継続を決断して、本当に良かったと思っていますね。 黒田:結果的に時代を先取りしていたわけですね。私がパナソニックグループが先進的だと思ったのは4年ほど前、「くらしアップデート」というビジョンを世に問われたときです。当時、「何を言ってるのかわからない」と批判も多かったのですが、私はかなり未来を見据えていると思って衝撃を受けたんですよ。 普通は購入時がもっとも製品価値が高い状態なのですが、購入後も製品価値を高めていくという「くらしアップデート」の概念はとても新鮮で、今後のものづくりの基本姿勢になるだろうと思いました。 坂元:ありがとうございます。パナソニック創業100周年のタイミングで、当時(2018年)社長であった津賀が語ったものですね。 黒田:そう