世界初となる食べることを目的としたロボット「こんにちは。今日、私はあなたと会話できることを楽しみにしてました」。音声とともに両手を振り、左右に揺れる全長約7センチの薄黄色の物体。つぶらな瞳もある。リンゴ味のグミだが、実はロボット。電気通信大の仲田佳弘准教授(ロボット工学)らのチームが、世界初となる食べることを目的としたロボットの開発に成功した。 ロボットはゼラチンでできた可食部と金属部分からなる。ゼラチンには空気穴が通り、ぷるぷると揺れる仕組みだ。音声はロボットに接続したスピーカーから出る。 このロボットで一体何を行うのか。仲田さんが目指すのは「新たな食体験の創出」。そのヒントとして挙げたのが、国民的キャラクターのアンパンマンだ。「アンパンマンが顔をちぎり誰かに与えると、通常以上のおいしさを感じて元気が出る様子が描写されますよね」。食べ物との交流で、人の味覚に変化が起こるかもしれないと考え