日本のユーザーを標的とした海外からのサイバー攻撃が今まで以上に増えそうな予兆がある。攻撃者は中国とロシアの犯罪グループ。以前から日本への攻撃について話題に上っている中国はまだしも,なぜロシアかというと,それぞれの攻撃手口はよく似ていて,ロシアのハッカーの動きが中国のハッカーと連動しているようにも見えるからだ。 例えば,昨年発生したWordのぜい弱性を悪用した攻撃や今年のPDFのぜい弱性を悪用した攻撃は,添付ファイルの命名ルールや内容などがよく似ている。MPackやIcePackといった攻撃ツールや,DDoS用ボットのレンタルを使う点など,ほかにも類似点がある。中国とロシアのハッカー動向を追跡することで,日本のサイバー犯罪の今後が推測できるかもしれない。そこで今回は,中国とロシアのハッカー動向について解説しよう。 ロシア・ハッカーに不可解な動き 11月初め,Russian Business