はっきり言って、大企業かベンチャー企業かを問わず、デジタルを使って新たなビジネスを興そうとしている人たちにとって、今、これ以上ないくらいの千載一遇のチャンスが訪れている。ひょっとしたらインターネットが世界で爆発的に普及し、EC(電子商取引)などの試みが始まった1990年代半ばに匹敵するか、あるいはそれ以上の機会が生まれているかもしれない。 今そうした状況を生起させているものは何かと言うと、取りも直さずパンデミック(世界的大流行)を引き起こした新型コロナウイルスだ。全世界で多くの人が亡くなり、多くの企業や個人事業者が苦境に陥っている現状を捉えて、不用意に「千載一遇のチャンス」などとはしゃぐのは不謹慎であることは承知している。だが冷徹に状況を見渡すと、今が新たなデジタルサービスの創出にとって前代未聞の機会であることは容易に納得できるはずだ。 だってそうだろう。1990年代半ばのインターネットの