合併前のこと、当町に隣接してK村というのがあった。 隣接しているが、山があるので中心部に行くにはひどく遠回りしなければならなかった。 そこには診療所があった。もちろん手術などできない。手術がしたい盛りの外科医は赴任などしたくない。外勤などいくと自分の病棟がおろそかになる。 そこにはK村長がみえた。村長は診療所に毎日医者が来るようにすることを公約にした。 それから、村長は とにかく一生懸命やった。給与は大したことはなかったが、医師が帰るときはお礼の挨拶におとづれ、花火大会など事あるごとにバーベキューに招待し・・・官官接待というのかもしれないが、お店など使わずに、自宅で自分で汗を流してウナギをとって御馳走してくれた。 皆 次第に この村長をほうっておけなくなった。そして、外科小児科も含めて毎日医師が詰める この規模としては夢のような診療体制が実現したのだ。 しかし、それが実現したころ、この村長
![ある村長の物語 - 賢い子は外科にきてはいけません](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/701f7390ec823d8015f5af3023e38fa9824e5890/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fbassisha.cocolog-nifty.com%2F.shared-cocolog%2Fnifty_managed%2Fimages%2Fweb%2Fogp%2Fdefault.png)