記録[編集] 『古事記』と『日本書紀』[9]の説話は、大筋は同じだが、主人公の性格や説話の捉え方や全体の雰囲気に大きな差がある。ここでは浪漫的要素が強く、豪胆な主人公や父天皇に疎まれる人間関係から来る悲劇性が濃い『古事記』の説話を中心に述べる。おおむね『日本書紀』の方が天皇賛美の傾向が強く、父の天皇に忠実で信頼も厚い(『日本書紀』の説話は、『古事記』との相違点のみ逐一示す)。 西征[編集] ヤマトタケル(菊池容斎画) 女装するヤマトタケル(月岡芳年画) 古事記 父の寵妃を奪った兄大碓命に対する父天皇の命令の解釈の違いから、小碓命は兄を捕まえ押し潰し、手足をもいで、薦に包み投げ捨て殺害する。そのため小碓命は父に恐れられ疎まれて、九州のクマソタケル(熊襲建)兄弟の討伐を命じられる。わずかな従者も与えられなかった小碓命は、まず叔母の倭比売命が斎王を勤めた伊勢へ赴き女性の衣装を授けられる。このとき
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