膨大なデータを整理し、一目瞭然に分かりやすく、データの本質を伝えるインフォグラフィックスの価値が高まっている。 スペイン出身のインフォグラフィックスデザイナーで、ビジュアルコミュニケーションとジャーナリズム、認知科学の融合に関心を持つアルベルト・カイロ氏に、データの可視化の最前線について話を伺った。 (インタビュー・文/瀧口 範子 写真/Al Diaz) インフォグラフィックスは「読む」ためにある ──インフォメーション・ビジュアライゼーション(情報のビジュアル化)を専門として、これまで新聞社で働き、また教壇に立ってこられました。一昨年は、『ファンクショナル・アート』という本を出されましたが、ファンクショナル・アートとは何を意味するのでしょうか。 まず、インフォメーション・グラフィックス(情報グラフィックス)とは何かを考えてみましょう。それには2種類あります。ひとつは、純粋な情報として現実