2020年、再び東京でオリンピックが開かれる。それをチャンスにできるかどうかは「自分」にかかっている(撮影/写真部・東川哲也)この記事の写真をすべて見る 作詞家やプロデューサーとして活躍する秋元康氏は、近年、人々の物事への執着心が薄くなっているのを感じていると言い、次のように話す。 * * * ある日、地下鉄で若者がハードカバーの本を網棚にポンと置いて捨てていくのを見た。雑誌でも新聞でもなく、ハードカバーの本までも所有しない時代になった。そうなると、「絶対にこれがほしい」「どうしてもこうなりたい」というものがなくなる。執着心がなくなったぶん、今の日本は弱い。 恋愛でも男女が対峙しない。デートはカフェのテーブルで横並び。男女の差異も感じず、植物性。70年代、80年代には駅の改札口や喫茶店で大ゲンカをするカップルがいたが、いまは、直接ぶつかり合わなくても、メールなどのツールが解決してくれる