はじめに 北欧諸国のひとつ、デンマークには、日本にとって羨ましい二つの特徴がある。 第一に、ICT利用先進国として世界の先頭グループを走っている。ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF: World Economic Forum)の「ICT競争力ランキング」において、デンマークは2007年から2009年まで3年連続第1位、2010年も第3位を獲得した。調査内容を詳しく見ると、デンマークは「基盤」「環境」「利用」の三分野でバランスよく世界トップレベルの評価を得ている[1]。一方、日本はインフラ整備などの「基盤」で優位性を持ちつつ、ICTを活用するための法律・制度などの「環境」や個人の「対応力」、行政における「利用」などの評価が低く、14位、19位、17位と低迷し、2010年は21位と後退した。 第二に、デンマークにおける「国民の幸福度」が世界一である。内容の異なる二つの調査(スウェー