第一章 マヌケな猫警察 俺は猫警察刑事課に所属する刑事。刑事暦5年、猫刑事としてはベテランと言っても良いだろう。 今日は「危険マタタビ」という違法なマタタビを販売している売人を追って、売人が入っていったアパートの近くで部下2名と張り込みをしている。 「まだ部屋にいるようだな・・・必ず尻尾を掴んでやる・・・」 「こんな感じっすか?」 「・・・(掴んでないだろ)」 「出てきますかねぇ・・・僕は腹減ってきました。さっき食べていたパン、どっかいっちゃいましたし・・・。」 「・・・首についてるぞ・・・」 このような状況は珍しくない。最近の・・・特に若い刑事は真剣に取り組むものが少なくなり「猫警察」をバカにする猫が増えている。 「マヌケな猫警察・・・か・・・」 (これ以上、バカにされてたまるか!今回は売人まで残らず逮捕してやる。) 俺は僅かな異変も見逃さないよう、売人の入っていった部屋を凝視していた。