2007年ももうそろそろ終わりなので、今年読んで面白かった本を紹介しておきます。ノンフィクション系5冊だけ。 ★『無意味なものと不気味なもの』(春日武彦/著/文芸春秋/1,980円)【→amazon】 本来のメッセージとは微妙に食い違った部分においてひそやかに違和感を与え続けてきた小説たち。奇妙な方法論を用いて世界を分節してみせた物語たち。わたしの孤独感をますます深めてきた文章の数々。本書は、そのような小説について、あえて個人的な記憶や体験を織り込みつつ論じたものである。 異形・奇想の小説を紹介しながら、自己の「異体験」を語る、異色づくしの読書案内。N・ホーソーン『牧師の黒のベール』という、ある日を境に死ぬまで顔をベールで覆った生活をした牧師の話(小説です)を筆頭に、小説に込められたメッセージ(作者が伝えたかったもの)の、あまりのヘンテコぶりである種めまいを感じさせる作品群を通して、物語・