社内の悪口はポジティブフィードバックする。だが、この悪口より性質が悪いのは「ウソ」だ。会社の損害を与えることもあるし、ビジネスパーソンとしての人生を終わらせるぐらいのダメージを被ることもあるのだ。 230年以上の伝統を誇る英国の投資銀行、ベアリングズ銀行は1995年、8億ポンド(約1300億円)以上もの巨額の損失を出し倒産した。 この損失は、同銀行のシンガポール支店に駐在していた1人の責任者による小さな“ウソ”から始まった――。1992年に数万ポンドの損失を出した時、その責任者は本社に報告をしなかった。金額としては小さくはないが、銀行の中ではきちんと説明をすれば、処理できる範囲のはずだった。 これを隠したため、同様の損失を次々と同じ方法のウソで固めていった。その結果、3年後に銀行そのものをふっ飛ばすほどの損失になってしまったのである。 ウソに悪気はないが…… ウソは、2つの結果を引き起こす
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