田辺朔郎という人物は、日本の土木技術史では大変重要な人物なのに、私がこの人の名前を知ったのは今年の6月のこと。初めて船で京都に行った時のことでした。船で京都?と思われる方も多いでしょうけれど、琵琶湖から京都に流れる琵琶湖疏水という人工の水路があり、ここを観光目的の船が季節限定で行き来しているのです。この船にびわ湖側から乗ると京都の蹴上に到着することができます。で、この疏水の工事責任者を務めたのが田辺朔郎氏なのです。就任当時23歳だった田辺氏にとって、疏水工事は最初の実践の場。ここで成果を上げた田辺氏は北海道の鉄道敷設にも大きく関わるなど、日本の発展に貢献してきた人物です。6月にびわ湖疏水を船で下った体験がとても思い出に残り、今回は紅葉の京都に向かうため再度船で京都に行ってきました。田辺氏についてや、疏水関連の遺構や施設は「その2」で紹介するとして、こちらでは紅葉の疏水船の旅をご紹介します。