「慶祝回帰(返還)10周年」のサインが掲げられたマカオ市内の中国銀行ビル(左)とカジノ併設型の老舗リスボアホテルが2007年に建設した「グランドリスボア」の奇抜なビル(河崎真澄撮影) 飛び交う人民元、政治的締め付けも ポルトガルの植民地だったマカオが1999年12月に中国に返還されて、20日で10年を迎える。「東洋のラスベガス」と呼ばれるカジノの街には返還後、中国本土から観光客がどっと押し寄せ、GDP(域内総生産)はこの10年で約3・7倍も膨らんだ。一方で反体制活動を取り締まる「国家保安法」が今年2月、マカオ議会でスピード可決されるなど、政治的な締め付けは強まっている。「一国二制度」下のマカオ。中国政府による巧妙な“アメとムチ”に揺れている。(マカオ 河崎真澄、写真も)本土客熱烈歓迎 「とにかく中国本土から来るお客さんに受けがいいよ」。広東省珠海と陸続きの出入境門近くで客待ちしていた年配の