電磁誘導方式は、すでに実用化されており、数多くの採用実績がある。ただ、第1部で説明したように、高い伝送効率を得るには、送電側と受電側の2つのコイルを近接させた上でコイルの軸の位置を合わせる必要がある。このような送電原理に起因した制限があり、限られた製品分野に採用されるにとどまっている。もちろん、金属接点が不要になるので防水性を高められたり、携帯型機器では金属接点への接続具合を意識せずに充電できたりという利点がある。しかし、利用者に充電対象機器の接続位置を意識させてしまうという点では、使い勝手は金属接点を利用する場合と大きくは変わらない。 最近の開発動向として、このような制限を解決しようという動きが現れてきた。昭和飛行機工業は、送電側コイルと受電側コイルが60cm離れた場合でも高い伝送効率を得られるとする送電システムを開発中である。また、電磁誘導方式を採用したワイヤレス送電技術に関する業界団