「あのさー、もうすぐ声明だすことになったから」と、彼はいった。世田谷区のせまい1Kアパート。オリジンのバランス弁当をおいしそうに食べながら、かたわらに置いた2Lペットボトルの烏龍茶を、直で飲んでいる。彼と一緒に暮らしはじめて二年。すっかり日本にもなじんでしまった。「俺、日本人に生まれたらよかったな。日本、ごはんうまいし、女の子かわいいしさ。男は、サウジアラビアの方がイケてるとおもうけど。サウジアラビアって服とかカッコわるいしねー。俺も学生服着たかったよ。そいで学生服デートするの。あはは」。僕は、声明のことが気になっていた。 「ちょっと、声明ってなに」と僕は訊いた。二年前、彼を居候させる条件はふたつあった。ひげを剃ること。そしてテロをやめること。タフな交渉の末に、彼はひげを剃り、テロをやめると約束した。じっさい、今の彼はテロとは無縁の生活を送っていた。ふたりでタイフェスティバルにいってグリー
今、ビンラディンと暮らしている。あいつが俺の部屋に住むようになって、半年たった。それはまあ、最初にアルカイダから連絡があった時は、ずいぶんびっくりしたものだ。ビンラディンをかくまったりしたら、俺はいったいどうなるのか、想像がつかない。死刑になるかも。しかし、どうしても好奇心が先に立ってしまい、結局はビンラディンと俺、男ふたりが、世田谷のせまい1Kで暮らすことになった。 最初の問題は、あいつのひげのことだった。これはかなりもめた。ラディンは「剃らない」の一点張り。説得して剃らせるのもひと苦労だった。だいたい、あのひげを剃らずにいたら、「僕は、例のテロ事件でおなじみの、ご存じ、ビンラディンでございますよ」と宣伝して歩いてるようなもんじゃないか。おいこら、ひげを剃れ。そのくせ、近所のコンビニにふらふら出かけては、まるごとバナナを買ってきて、むしゃむしゃ食っていたりする。ふざけるなビン。つかまっち
202402<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>202404 2004年は泥沼化するイラク戦争に加えて大統領選挙が行われたこともあり、かつてないほどポリティカルな楽曲がジャンルを問わず多数発表されましたが、ヒップホップシーンで最も注目を集めたのはEminem "Mosh"、Jadakiss "Why"の二曲でしょう。しかしわたしが一番気に入ったのはその二曲からEminemとJadakissのヴァースを大胆にサンプリングしたImmortal Techniqueの"Bin Laden"でした。超政治的なライムでアングラ界のカリスマMCとして熱狂的な支持を集めるImmortal Techniqueの渋いラップ。そしてEminemの専属DJであり、彼にプロデュース指南もしているGreen Lanternが提供した暗く冷た
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く