人間に生まれてしまったど。 オデはハムちゃんから見りゃ途方もなくでっかくて、力も強くて、ろくでもねえ生き物だど。 毎朝毎朝ハムちゃんの力じゃ開けらんねえ重てえ鉄の扉をこじ開けてどっかへ行って、毎晩毎晩ハムちゃんが何ヶ月も暮らせるぐらいのでっけえ野菜がゴロゴロ入った袋を提げて巣へ帰ってくるど。 そんなオデを、ハムちゃんは回し車をわざわざ止めて迎えてくれるど。日がな一日、毎日回してても飽きないぐらい好きな回し車を、オデのためにわざわざ止めてくれるんだど。 オデはうれしくなって袋から野菜を出して、葉っぱを一枚ちぎって、その一枚をさらにちっちゃくちっちゃくちぎって洗って、ケエジを開けてハムちゃんの前に置いてあげるど。 ハムちゃんは葉っぱが待ちきれなくて、オデのぶってえ指の上にちっちぇえちっちぇえ両手を乗せて、身を乗り出して葉っぱをくわえに来るど。ハムちゃんの一生はオデたちの一生よりずっとずうっと短
