■世界で稀な「成功物語」のつけ ≪民主国が直面する脅威≫ 故ハーマン・カーン博士はかつて、民主主義国が直面する脅威は「外からの侵攻」と「内からの浸食」であると述べた。昨年アメリカから帰国して、日本ではその一つ、「内からの浸食」が進行しているなと思った。 まず、日本人同士の連帯感、思いやりの心が希薄になった。それと反比例するかのように、「文句」と「他人批判」によって人を「萎縮(いしゅく)」させる達人が多い。これにはマス・メディア、就中(なかんずく)テレビの責任が大きいと思う。 或(あ)るアメリカ人の表現を借りると、マス・メディアは最早(もはや)「インフォメーション」(情報)の提供を使命とせず、「インフォテインメント」(汎娯楽化)の世界と化している。「ジャンク・フード」(粗悪な食品類)さながら、供給する側も、消費する側も、健康に悪いと知りつつお互いにやめられないでいる。 ニュースですら、何につ