女性と天皇制 (1979年) 作者: 加納実紀代出版社/メーカー: 思想の科学社発売日: 1979/07メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る 古本屋で500円で買ってから、本棚に放置していた。なんともなしにパラパラ読み始めたが、強烈な本である。1977年から「思想と科学」に連載されたリレー式エッセイが収録されており、立場も年齢もさまざまな18人の女性が自らの実生活の経験を基に、天皇制を論じている。 たとえば、1911年生まれの牧瀬菊枝*1は大正デモクラシーの中での、天皇について語る家族をこう描く。 炬燵で兄が話している。「天皇は脳が悪い。議会で勅語を書いた紙を円く巻いて望遠鏡のようにして職場を眺めている」それを受けて母も「かげでは天皇の悪口をみんな言う。天皇の写真がのっている新聞を平気でふんづけるし、便所へ持ってゆくもの」と、兄の話に同調して、おかしそうに笑っている。大正十
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