『ネットフリックスの時代――配信とスマホがテレビを変える』(西田宗千佳著、講談社現代新書)は、「利用し放題」のメディアの現状と将来を浮き彫りにした新書。タイトルにあるとおり、主軸となっているのは日本でもサービスがスタートした映像配信企業「ネットフリックス」だ。 とはいえ、世界有数の映像配信事業者である同社だけを題材にしているわけではない。その内容は予想以上に幅広く、そして深い。まずはネットフリックスの革新性と衝撃について解説がなされるが、以後は、対抗する日本勢の現状、"テレビの見方"の変化、果ては音楽のストリーミングサービスまでを緻密に取材しているのである。 そういう意味では、方式も利用法も急速に変化し続けるメディアそのもののあり方を広い視野でとらえた内容だといっていい。 ところで無知をさらけ出すようで恥ずかしくはあるのだが、読む前に頭のなかにあった疑問は、「そもそも、なぜネットフリックス
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