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概要 国立天文台・東京大学の研究チームは、金やプラチナ、レアアースといったR過程元素(中性子を素早く(rapid)捕獲する過程で合成された元素)が中性子星の合体の際に作り出された可能性が非常に高いことを明らかにしました。 研究チームは、銀河系と銀河系の近く(約80万光年の範囲内)に属する個々の星に刻まれた元素組成の履歴を解読し、R過程元素が中性子星の合体の際に作られ、宇宙空間の広範囲に即座に拡散したと考えると観測結果を矛盾なく説明できることを突き止めました。 中性子星合体現象は、直接重力波を検出できる現象として期待されています。本研究に基づくとこれまでよりも正確に中性子星合体現象が銀河内で起こる頻度を見積もることができます。具体的には、現在建設中の重力波検出装置KAGRAは海外の検出装置との連携によって、2020年代には1ヶ月から2ヶ月に一度の頻度で中性子星合体からの重力波が検出されるだろ
原始宇宙に多かったとされる中性水素ガスの存在を直接観測することに、東京大学大学院理学系研究科の戸谷友則(とたに とものり)教授と国立天文台や東京工業大学などの研究チームが初めて成功した。宇宙誕生後10億年の時代に発生したガンマ線バースト(大質量星の爆発現象)をハワイにある国立天文台のすばる望遠鏡で詳しく解析し、中性原子の割合が高い水素ガスによってガンマ線バーストの光が吸収されている兆候を捉えた。原始宇宙の解明に迫る成果といえる。日本天文学会欧文研究報告に近く論文を発表する。 宇宙に存在する元素の主成分は水素である。宇宙が138億年前に誕生してから38万年後に、ビッグバンからの温度低下に伴い、原子核と電子が結合して電気的に中性な水素原子になって、晴れ上がったとされている。しかし、宇宙誕生後約10億年のころ、初代の銀河や星が形成されて紫外線を放ち、それによって水素ガスが再び電離したと考えられて
国立天文台、福岡大学、京都大学の3者は4月18日、スーパーコンピュータ「京」を用いて超新星爆発の大規模数値シミュレーションを行い、超新星爆発が「ニュートリノ加熱」によって起こる可能性を示したと共同で発表した。 成果は、国立天文台の滝脇知也 特任助教、福岡大の固武慶 准教授、京大の諏訪雄大 特定准教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、4月18日付けで「The Astrophysical Journal」に掲載された。 恒星は中心部で核融合反応を行い、その熱エネルギーによって、自らが重力で収縮する「重力崩壊」を防いでいる。太陽のおよそ10倍以上の質量を持つ超新星爆発を起こすような星は晩年になると、核融合が水素から始まって何段階も経て最終的に鉄が生成されるに至り、それを核とした赤色巨星に進化する(太陽クラスの場合は鉄までは生成されない)。 鉄はあらゆる元素の中で最も安定な物質であるた
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