思いつき『悪魔の手毬唄』考 (改訂版) 横溝正史「書かでもの記」より 皆様こんにちは、めとろんです。 今回は、横溝正史(敬称は略させて頂きます)の傑作長編『悪魔の手毬唄』について、少々述べてみたいと思います。 隠す必要もありませんが、ぼくは少年時代から横溝正史の作品を愛読してきました。 本格ミステリを人並みに好きになった最初のきっかけも、中学2年生の時、表紙の過激さから書店員さんの目を気にしながら購入した、『獄門島』(角川文庫版)でした。 そして、ぼくをその行動に走らせたのは、小学生のとき親戚の家のテレビ放映でたまたま見た、市川崑監督・石坂浩二主演の金田一耕助シリーズだったのでした。 ◆横溝正史が『悪魔の手毬唄』を書いたのは、昭和32年~34年「宝石」。昭和28年の『悪魔が来たりて笛を吹く』以来、待望の本格長編連載でした。 世には松本清張を始めとした社会派推理小説の波が押し寄せつつあった頃