令和元年10月、徳島県で万引きをした女性が、事後強盗の容疑で逮捕される事件がありました。「万引きなのに、窃盗罪ではなく強盗罪で逮捕されたの?」と不思議に思う方もいるでしょう。 報道では、女性が万引きを目撃した保安員の手首をつかんで振り払うなどの暴行を加えてケガを負わせたとしています。このようなケースの場合には、強盗として扱われる可能性が生じるのです。 本コラムでは強盗罪とはなにかに焦点をあてながら、窃盗罪や暴行罪といった類似の犯罪との違いや、強盗に関連する犯罪の概要と刑罰について、弁護士が解説いたします。 人に暴力をふるったり人の身体を傷つけたりした場合に問題になる犯罪に、暴行罪や傷害罪、強盗罪があります。 それぞれの犯罪の違いについて、解説いたします。 (1)暴行罪とは 暴行罪とは、暴行を加えた者が傷害するに至らなかった場合に成立する犯罪です(刑法第208条)。 暴行罪の暴行とは、人の身